書籍・雑誌

大河ドラマ入門

NHK大河ドラマ主題曲のCDをiPodに入れてよく聴いている(1963年の『花の生涯』から1996年の『秀吉』まで)。現代日本音楽界の大家らの名曲、というだけでなく、当時の自分やら家族やら友だちやら世の中やらが思い出されるのだ。ネットで検索してみると、どの曲が好きか、という意見が百花斉放状態だった。ついでながら、天才音楽家一柳慧(1992年の『信長』の作曲者)がオノ・ヨーコの最初の夫だったことも初めて知った。

昨夜も何曲も聴いていた・・・で、きょう書店をぶらついていると、『大河ドラマ入門』なる新書(光文社)に遭遇。ぱらぱら見て即購入。これは『入門』ではない、かなり『マニアック』な書だ。しかも論評の容赦ないこと。その容赦のなさがあまりに自分のツボにはまるので苦笑がもれて仕方がない。ここで初めて著者を確認したら、あの 小谷野敦 先生であった。世代が近いだけでなく、ドラマ・俳優・音楽の嗜好も似ていたとは・・・その厳評ぶりを一部紹介すると・・・

××年の『△△△』は驚きの原作である。いったい○○○○などという、直木賞候補になったこともない群小歴史作家の一人の著作が、なぜまた原作に指定されたのかと思う。これもどうやら××××をやると決めてから○○に書かせたようだが、まるで重みのない、軽い小説である。・・・ドラマの中身も、主役の□□□□がまるで戦国武将らしくなくダメだった。

これ自分も本当にそう思ったものなあ・・・

・・・ドラマそのものも、主役の△△△△が下手過ぎて興ざめだった。

異議無し。

・・・○○は『(某民放ドラマ)』では評価されたが、もともとさして存在感のある俳優ではない。

これまた同意。この○○をまたしても主役にした放映中の某ドラマが、局の力の入れようとは反比例する視聴率・・・

・・・○○(脚本家)については難しい問題である・・・あのギャグのセンスと、ホモソーシャルな好みが合わない。『(某民放ドラマ)』だけはいいのだが・・・

「あのドラマだけは評価するのだが」というところまで同意見である。読んでいて驚いてしまった。
こう抜粋していると、小谷野先生、けなしてばかりいるようだが、決してそうではない。「意外によかった」「見直した」等々の評価も多々でてくる。なにはともあれ「大河ドラマ好き」なのである。

主題曲の好みも似ていた。『勝海舟』『春の波濤』をあげていたのは嬉しいかぎりだ。ただ、和楽器を使った曲は好みに合わないようで『新・平家物語』を評価保留にしていたのは、小生の感性と異なる。このくらいは違っていないとね。

さあ、これからもっとも読み応えのありそうな「キャスティング」の章を読む。
楽しみだ。

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私のこだわり人物伝

NHK教育のテキスト「私のこだわり人物伝 6・7月」を読了。

7月の放送 森達也氏の「愛しの悪役レスラーたち 昭和裏街道ブルース」のできがよかったので、テキストまで買ってしまった。風呂に入りながら軽く読み進んでいたのだが、思わずうなってしまった。NHKをほめるべきか、森氏に感服するべきなのか。
 とても重要なポイントなのに、テレビでしか語られなかったことと、テキストでしか語られていないことがあったのだ。いやあ、テキストも読んでよかった。

6月分は「横溝正史」 ミステリ好きであり、「犬神家の一族」(1976年公開の初代版)を劇場で見ているボクとしては、こちらもテレビで見ておけばよかった。デキがよい番組だったらいずれ再放送されるかもしれない。こちらの語り手は作家の真山仁さん。はて、誰だ?どこかで見たような名前・・・NHKドラマ「ハゲタカ」の作者でした。あのような世界を描く人が横溝正史のファンだったとはまた意外な。そして「獄門島」を大絶賛している。部分的にしか知らない作品だが、ほんとうにそんな大傑作だったのだろうか? 暑い季節だし、読んでみてもいいかもしれない。

乱歩は大半の作品(評論も)を読んでいるが、横溝は、代表作の「本陣」を読んでいない。当時、横溝ブームの真っ最中で、処女作「恐ろしき四月馬鹿」などの初期短編は文庫で読んだ。「蔵の中」「鬼火」は強い印象を残したし、「蝶々殺人事件」は二重の意味で「クラシック」なミステリーだったが、よくできていると感心した覚えがある。数十年ぶりに横溝作品を体験するかな。

「横溝」のテキストでは、疎開先の岡山でたいへんに恵まれた生活をしていたのがおもしろい。「疎開」といっても実に様々だったのだ。「玉音放送」を聴いて「さあ、これからだ!」と叫んだのもほほえましい。まさに歴史的大事件でも「ひとそれぞれ」なのだ。
ラストの角川春樹氏との対談もおもしろい。あのブームを作ったとき、氏は34歳だったのか・・・若い。なんちゅう若さだったのだ。「犬神家」を友人と見てから、もう32年になる。

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六番目の

Sayoko ふとした時につい手にとって読んでしまう恩田陸作品。
マニアではないけれど、軽度の慢性恩田依存症患者です。
今回はなんと、処女作品「六番目の小夜子」です。まだ読んでいませんでした。すいません。
このデビュー作を最高作とするひとも多いとききます。
なるほど、ノスタルジーとサスペンスとホラーと美しさがいい具合に混じり合っています。
そして、最後のページを読み終えてもなお残る「謎」もたっぷり。

ドラマは何度も再放送されだが、あ、またやってる 程度で一度も通して見ていなかった。
小夜子役に栗山千明 どいうキャスティングはなかなかのものだと思う。
ドラマでは中学校にされていたが、オリジナルは高校。
やっぱり、これは高校ならではの物語でしょう(大胆な変更したなあ、NHK)

このような高校は現在各県に数校あるかないかだよな・・・
21世紀が失ったもののひとつ。

それにしても、読後に残るこのもやもやした気持ち。
恩田作品を読むときには覚悟できているとはいえ、あ~にくい。

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ロシア

月末は各社の新書が一斉に発売される。
コーナーにずらりと並ぶ新しいタイトルを見るのが楽しい。
きょうも読みたいタイトルがいっぱいあった。
メキシコの歴史、ヨーロッパの庭園、足利義満、現代中国等々
結局今日は
 「強権と不安の超大国・ロシア  旧ソ連諸国から見た「光と影」 」
を買った。
なんといま、クレムリンを見学するのに5000円かかるそうだ。
ソ連時代のタダみたいな時に見ておいてよかった・・・
今のロシアのキンキラぶりはかなりすごいらしい。
あの、肉を買うのに行列をしていたのはいつのことだったか。
何にせよダイナミックな国だ。  

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絵本

まさに猛暑・炎熱の毎日です。いろいろあってばててます(泣)
昨夜はHiro君のところに泊まりました。ほんとに何から何までいろいろとお世話になっています。

夕方ぱらぱらと雨が降りました。書店で「ダヴィンチ」を立ち読みすると「100万回生きたねこ」の特集。名作と知ってはいるけれど、実は読んでない。これも何かの縁。それほど大きくない売り場で探してみたら2冊もおいてあった。さすがは名作。夕食のカレーを食べながら読むと、ああ・・・泣。100人いれば100通りの受け取りかたがある絵本だろう。しかし、身にしみてわかるところがあった。これは幸せな話?今の僕には哀しくてしかたがない。

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飛び地

136400440001000020070713223000  台風の雨が朝から降り出していました。
 午後、友人の出迎えをかねて東京へ。到着が3時半とのことなので、それまでヨドバシやら書店やらをぶらぶらしていると、買いたくなるものが次々に目に入ってしまうのがつらいところ。電機製品はさておいて、本を4冊買ってしまいました。なかでも
R1101403  「世界飛び地大全」 吉田一郎  社会評論社  はなかなかおもしろい。現在の飛び地として18カ所、かつてあった飛び地が10カ所、そのほかおもしろい領地が多数紹介されています。緊張状態の飛び地もありますが、中世の封建関係から生じたオランダ領内のベルギー領はなかなかおもしろそうです。

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ミステリー

 朝からぱらぱらしていて、夕方から本降り。予報は明日からかさマークが並んでいます。成績のほとんどを入力してひと息つきました。
R1101393  帰りに「ローマ帽子の謎」を購入。やっぱり僕は創元社文庫版・井上勇訳です。しかし表紙がなあ・・・やはり真鍋博さんの表紙がよいなあ・・・オランダとチャイナ、エジプト、シャムは真鍋版です。クイーンの処女作、出版は1929年。昭和4年、世界恐慌が始まった年です。古き良き時代が崩壊する年。のんびり読んでいきましょう。
 その書棚の隣にカーの「エドマンド・ゴドフリー卿殺人事件」を発見!なんだ、これも文庫になっていたのかい・・・

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クラシック・ミステリー

 気温低めとはいうものの、夕方は蒸す感じ・・・試験返しは1クラスだけ。3時間の授業が終わると、文化祭の会計係を集めての説明会。学年会。カナダ行きが本決まりに。乗るのは後発のエアカナダ。2クラスだけというのはちょっと気が楽かも。当然、帰りもエアカナダなんだろうねえ。
 大したことをしていなくても帰りは妙に疲れている。クラシカルなミステリーをのんびり読みたくなった。うーん、クイーンの処女作「ローマ帽子の謎」を読んでみようかな。クイーン初期の作品集「国名シリーズ」で読んだのは、エジプト十字架(小学校の時)、チャイナ橙、オランダ靴、シャム双生児(これらは中学~高校時代)、ギリシア棺(数年前読んだはず・・・しかし明確な記憶がない・・・やばい)の5冊。このシリーズは全てが傑作とは言えないけれど、新進作家特有の熱気が感じられる作品群。あした探してみるか・・・

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SIGHT

R1101388  涼しい1日でした。7月に入ってからやっと梅雨寒。あしたは前線が北上して暑くなるとか。自分が担当する試験が本日で終了。やれやれ、です。1年生の2クラスの採点が時間内に終わって、今日は答案をカバンに入れることなく退勤。気分がいいです。宿題は学生時代だけで十分。
 水曜だから、週刊プロレスとTVブロスを購入。と、目に付いたのが 雑誌SIGHT 。判型が変わった?藤原帰一氏の対談に惹かれて購入。2年前、講演を聴いて惚れてしまった方だ。とにかく COOL!! 話を聴き始めて数分で、なんて「頭のいい人」なんだ!と感嘆した。HOT!!の辛淑玉さんとともに、講演で一目惚れしたお方。ほかにもおもしろそうな人たちが載っている(あこがれの斎藤美奈子さまがここにいらっしゃった!)。入浴中や朝夕の車内で読もう。

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